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LESS IS MORE * 資本主義の次に来る世界

2025年も、この2枚で終わる。
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来月は、右側に2026年1月の分が入る。
夏の暑さにふぅふぅ言っている間に、気がつけば11月、みたいな。
何ものかに、時間を搾取されている気がしてならない。

***

ジェイソン・ヒッケル著/野中香方子 訳 『資本主義の次に来る世界』をようやく読み終わる。
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参考文献だけで、およそ30ページにも及ぶ力作だ。
いちいち咀嚼するのに随分と時間を割いて、全6章からなる最初の頃の話を忘れそうである。


人間とそれ以外の生命体を区別する、デカルトの二元論から脱却し、
地球上のあらゆる生命体は有機的に繋がっているという、アニミズムに回帰するのが
壊れかかっている地球を救い、人類を救う道である、というようなざっくりとした印象。

もはやGDPを増やすことなく、富の再分配による公共財への投資で質の高い暮らしは可能である、としている。

GDPと人間の福利との関係が、ある時点を超えると破綻するのは明らかだ。しかし、この関係には別の興味深い特徴がある。ある閾値を超えると、成長はマイナスの影響を与え始めるのだ。その影響は「真の進歩指数」(GPI)などの、進歩に関する新たな測定基準によって見ることができる。GPIはGDPと同じく「個人消費支出」をベースにしながら、所得格差や、経済活動に伴う社会・環境コストなどの要素を計算に加える。成長の利点だけでなくコストも考慮することによって、世界経済で起きていることについてよりバランスの取れた見方を提供するのだ。このデータを時系列でグラフ化すると世界のGPIは1970年代半ばまではGDPと足並みをそろえて成長してきたが、それ以降、グラフは平坦になり下降していく。社会・環境コストが増大し、消費から得られる利益を打ち消したのだ。
というようなことが書かれていたのが印象に残る。

薄っすらと、物は過剰に生産されていて、すぐに陳腐化し、また新たな生産が始まるようなイメージ。
ゴミ問題や、電力をはじめとするエネルギー供給問題、本当に全ては足りないんだろうか。

単に労働力の搾取が始まった、文字通りの植民地時代から今日まで、
富める国と貧困にあえぐ国の図式は変わらないらしい。
それはなぜかと言うと、簡単に言えば政治による発言権の強弱によるからだと思う。

著者の言うことはとても素晴らしいのだけれど、この辺りの改変をどのように行うのか。
それがとても気になるところだ。

ただ、企業に人格を与えるように(法人)、自然に法的人格を与え、むやみな開発を阻止する取り組みや
措置がなされている自治体や国も出現し、わずかながら変化の兆しも見えるらしい。

著者の論旨をバックアップするような文献が30ページ弱もリストアップされているのにも関わらず、
世界は相変わらず生産し、足りないと騒ぎ、富は一部に吸収され、再び生産に回されているらしい現状。
このことを身近に、恐怖とともに感じるだけでも、非常に読む価値のある1冊だと思う。

個人的には原題の方が、しっくりする感じ。
LESS IS MORE HOW GEGROWTH WILL SAVE THE WORLD
全てのことは繋がっている。









ブログテーマ:読書の秋
by nanamin_3 | 2025-11-05 10:21 | 本を積む | Comments(0)
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